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  正常な月経とは?
 
正常な月経とはどんな月経を指すのでしょうか。と、その前に、月経とは?からいきますね。「一定の周期性をもって反復する子宮体内膜からの出血」と書いてあります。当たり前そうなことをちょっとむつかしく言いまわすのが医学的定義の真骨頂ですね。この定義に加えもう二つ大事なことがあります。ひとつは、個々人特有のパターンをもった出血であることともう一つは一定の期間で終わるということです。パターンとは始まりは少なく2日目が最も多く徐々に少なくなって7日目にはほとんど無い、とかいうものです。人により若干の違いがあります。一定期間で終わるとは止血するということです。当たり前のようですがとても大事な現象です。よく「生理だったのかか不正出血なのかわからないのですが…」という声を耳にします。それを見分けるためにも正常な月経を知っておく必要があり、ポイントは3点です。(1)いつもと同じような周期に出血が始まり、(2)いつもと同じパターンであり、(3)いつもと同じ様な持続期間で止血する、ものは月経です。これらから逸脱したものは基本的に不正出血と考えていただいていいと思います。ただ、体調や精神的ストレスなどでこれらはすぐに変調をきたします。生理であってもいつもと違うものがみられることはあります。しかし、“いつもと違う”という中に病気が隠れていることもありますので、わからない時や不安な時は受診をお勧めします。正常な月経と題して書きましたが、とても多くの観点があることに書きながらあらためて気付きました。やっぱ婦人科医なんですねぇ。
 
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正常な月経について、“周期”にポイントを絞ります。まず周期とは月経が始まった日から次の月経が始まる日までの期間のことです。よく月経が終わってから次の月経が始まるまでの出血のない期間を“周期”として計算されている方がいますが、これは間違いです。
一般に婦人科を受診すると必ず問診表に「月経は順調ですか不順ですか?」との質問がありまいす。私は「ほぼ月に一回あって、次の月経が来る日をだいたい予想できる場合は順調といえます。」と説明しています。何も28日周期でないとおかしいわけでありません。実は25日から38日周期まで正常範囲とされています。ではこの日数の違いは何に反映されるのでしょうか?月経周期は排卵を境に大きく二つに分けられます。一つは卵が成熟して排卵に至るまででこれを卵胞期と呼びます。基礎体温では低温相といわれるところです。排卵後は黄体期といって子宮は受精した卵を待ち受けるためフカフカなベットを用意している期間で、基礎体温では高温相にあたります。この高温相は月経周期の長短にかかわらずだいたい2週間であることが知られています。ということは、月経周期が短い人は卵が成熟して排卵するまでの期間が短く、長い人は排卵にいたるまでに日数を要するということです。
そうすると月経周期の長い、短いで、排卵の時期が異なることになります。28日周期の人の排卵日はだいたい月経開始日から14日目ですが、35日周期の人の排卵日は21日目となります。基礎体温をつけていればもっとよくわかりますが、つけていなくてもこのようなことを知っていれば、いわゆる“妊娠しやすい時期”を自分で知ることができ、妊娠を望んでいる人にも、妊娠は避けたい人にも有用な情報となることでしょう。
 
 
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